一般財団法人ジェームズダイソン財団が主催する「国際エンジニアリングアワード」(以下、JDA)は、次世代のエンジニアやデザイナーの支援・育成を目的に行われている。
世界各国から1,794作品が集まり、その中で国内最優秀賞を含む上位2作品を発表した。

今年の国内最優秀賞一つに、東京大学大学院 竹内 雅樹氏ら4名チームによる、声を失った人たちが再び声を取り戻すことができるウェアラブルデバイス「Syrinx」が選ばれた。

 

「Syrinx」は喉の外部から声の元となる振動を与えることで、喉頭を摘出し、発声能力を失った人が再び人と話すことができるようになる。
声を使った会話はコミュニケーションをとる際に、最もスピーディーかつ簡単な方法であるが、世界では年間30万人以上が、がんなどを理由に声を失っている現状がある。

過去にも口の動きから声を生成するデバイス(電気式人口喉頭)が20年程前に開発されたが、常に喉にデバイスを押し当てなければいけないため、片手が塞がってしまっていた。さらに、生成される声も機械的であり、人の声とは程遠いものであった。

このような境遇の方々にもう一度、楽しい会話を取り戻してほしいという想いがらスタートしたプロジェクトが「Syrinx」の始まりだった。

 

今回の受賞を受けて、チームリーダーである竹内氏は以下のようにコメントしている。

「私たちのゴールはSyrinxを製品化して、世界中の声を失った方々に届けることです。今回の受賞はそのための大きな一歩を踏み出したと考えております。そのため、今以上に質のいいものを世に出せるように、今後も開発を続けていきたいと思います。」

 

【Syrinx 概要】

 

 

製作者:竹内雅樹氏 東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
Ahn Jaesol氏 東京大学 工学部 電子情報工学科
Lee Kunhak氏 東京大学 工学部 機械工学科
小笠原佑樹氏 東京大学大学院 学際情報学府学祭情報学専攻 先端表現情報学コース

 

【ダイソン国際エンジニアリングアワード】
https://www.jamesdysonaward.org/ja-jp/home/

 

【参照元】
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000042335.html